スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Kの診断と渡米

なんか人のブログ読んでたら昔を思い出したので、
Kの診断当時の話を書く。

Kは日本で生まれ、2歳前まで日本で育った。
ご存知のように日本では定期的に保健所の集団検診がある。
1歳半の検診では、健康面だけでなく、情緒の発達もみる。
たとえば指示に従って積木を積んだり、
指示を聞いて、本にある図を指す。

このとき他の子との違いが歴然と出た。
他の子は大方指示に従っている。
1歳半でこんなことができるのか!驚いた。
そういったことがKには全然できなかったどころか、多動で、視点を合わせることもできない。
Kは私たちの最初の子供だった。
私たちはKだけを見つめていて彼の発達の遅れにそれまで気がつかなかったのだ。

この日本の集団検診はいい制度だと思う。
長時間待たされるのは辛いが、そのときは他の子供との違いを目の当たりにしてうちひしがれたが、
今思えば他の子との違いに気がつくことができたのだ。
アメリカの検診は個人の小児科医にまかされている。実はこちらの小児科医も全てが発達障害に詳しいわけではない。近年は大分発達障害や自閉症の知名度が上がってきたが、改善されたといっても、まだ不十分だ。

そして物有りのKと私は保健婦の訪問を受け、育児相談の紹介を受けた。
めずらしくも一緒にいくという。
しかしこれはただの育児相談ではない。
担当は作業療法士(OT)だった。
彼女はKの状態と先日の検査の結果を見ていった。
OT:「あなた方はとても意志の強い方だとお見受けするのではっきりといいます。」
「情緒発達の著しい遅れがあり、発達障害の可能性が高いです」

その頃、はウェブサーチをし、本屋を駆け巡り、情報を集めていた。
は脳神経科の研究者だ。
彼の頭には既にこの文字が浮かんでいた。
:「それは自閉症ですか?」
OT:「私にはなんともいえません。発達小児科医を受診して診断を受けてください」
私は驚いた。
:「自閉症って何?」
実はKの異常に薄々気がついていたのだ。ただ、専門ではないため確信がなかったのだ。

そして県内の発達小児科を受診する。
医師はいった。
「自閉症の傾向が高いです」
しかし、自閉症の診断名はいわなかった。
当時2歳前で自閉症の診断名を出すのは難しかったのだろう。
今でいえば、『広範性発達障害』だ。

広範性発達障害(PDD-NOS)は自閉症の確信が付けられないときに使う診断名だ。
少なくともアメリカのCA州では自閉症(Autism Spectrum Disorder)では福祉サービスが受けられるが、
広範性発達障害(PDD-NOS)の診断名では療育サービスが受けられない。

私たちはの赴任で、渡米が数ヶ月後に迫っていた。
医師は
「アメリカのこういった分野は進んでいると聞いています。しばらくは新しい生活の立ち上げで大変でしょうが、いち早く小児科を受診して相談してください。」

そして数回、保健所で作業療法士と面談をし、
アメリカに発った。
Kは2歳になったばかりだった。

Kには飛行機が恐怖だった。
搭乗するときはよかったのだが、いったん飛び立つと機内でエンジン音がする。
そして広い空間に沢山の人が座っている。
Kは椅子に座れないどころか
そのゴオーッという音が怖くて泣き続けた。
あまりにその鳴き声が大きかったので、Kを抱えてトイレに入った。
Kはトイレの壁のある空間では少し落ち着きをとり戻し、泣き止んだ。
しかし、またトイレを出ると、泣く。
Kとトイレで籠城することにした。
そしてあまりに出てこない二人に
ステュワーデスのお姉さんは言った。
「泣いても大丈夫ですから、どうぞ出てきてください」
しかし結局搭乗11時間のほとんどを、二人はトイレで過ごした。

当時の搭乗員はやさしかった。
今では搭乗前に騒いだ自閉症児は他の乗客に迷惑なので、搭乗を断るのだと聞く。

3回の乗り継ぎをし、ようやくアメリカ南CAの地に着く。
しかし、搭乗中ほとんど寝なかったくせに、時差ぼけがひどく、昼夜反対どころかKはずっと起き続けた。
それを正すために、は毎日、朝、昼、夕方の3回、近所の公園に通った。
K_Doyle Park Kの通った公園

英語も出来ない、知らない土地で左右もわからない状態で生活の立ち上げをした。
私たちは駐在ではないので、生活立ち上げの補助はない。
は仕事の立ち上げのためほとんど家にはいなかった。
日本を発つ前にKの異常はすでに知らされていたが、
目の前の引っ越しと新生活を立ち上げるだけで精一杯で落ち込んでいる暇はなかった。
La Jolla Shore 近所の海

必要な予防接種は日本で受けていたので、
渡米から半年経ってようやく小児科医の定期検診を受けた。
私たちは駐在ではないので通訳は自腹を切らなければならない。
現地で給料も出ない、お金は日本からの奨学金1年間分のみ。
当時貧乏暮らしをしていた私たちにその費用は出せなかった。
Kの当時の母子手帳と発達小児科医のレポートを自分たちで英訳し、
はなんとかKの状況をたどたどしい英語で医師に説明した。
その医師は、福祉センターの電話番号を教えてくれた。
彼女がここですぐ福祉センターの連絡先を教えてくれたのは
私たちにとってかなりラッキーだったとしかいいようがない。
その医師は数ヶ月後子供の育児のため辞職したそうだ。
もしかしたら子供は障害児だったのかもしれない。

福祉センターに私はたどたどしい英語で電話をし、
検査を受けることになった。
当時はクリントン政権の最後の年で、内需が潤っていた。
福祉センターも駐在ビザや留学生ビザの子供にもサービスを提供していた。
現在は永住者と市民に限られている。

福祉センターに行き、検査を受けた。
日本の保健所とは違い、検査はれっきとした心理学者が行う。
一室でみっちり1時間余り、複数の発達検査と口頭で私とのインタビュー。
そして検査結果が数週間後に出た。
そこには
"Autism"『自閉症』
の文字がしっかり書かれていた。
疑いのない『自閉症』の診断だった。
K、2歳半のことである。

そしてその診断名によって、
福祉センターから
週2回3時間の自閉症集団療育クラスと、
家庭療育(ABA)が出ることになった。
そして親の時間をつくるためのレシピットが提供された。
これも当時は福祉センターが自主的に提案してくれたものだ。
今は親が請求したってこれだけのものはなかなかでない。

当時私たちは3年の研究留学で帰国する予定だった。
家でも日本語で話しかけていた。
しかし、Kが学校区の自閉症向けプリスクールが3歳から始まり、
ようやく発語したのは3歳半。それは英語だった。

そして私たちはKのためにアメリカに残る決心をした。

そして私たちはKが脳神経科研究者のもとに生まれてきたのは運命だと思った。

そしては導かれるように自閉症研究を始めた。

それが私たちがここにいる経歴である。

長い文章にお付き合いくださりありがとう。

クリックもよろしく。

にほんブログ村 子育てブログ 自閉症児育児へ
にほんブログ村
にほんブログ村 子育てブログ 海外育児へ
にほんブログ村
スポンサーサイト

theme : 発達障害(自閉症、アスペルガー、LD、ADHD、発達遅滞)
genre : 育児

comment

No title

いつも楽しいブログでの語り口調からは想像ができないほど大変なことがあったんですね。
「やるっきゃない」
そんな心境だったのでしょうか?
頼る人が誰もいない、ましてや言葉もわからない異国の地でよく頑張りましたね。
Sandieさんの強さの秘密ですね。

yuyuhayaさん、

ありゃま、下書きのつもりだったのに更新してたよ。(馬鹿)
コメントありがとう~。
コメント入ったから、そのまま出しとく。(爆)
でも現実頑張ってたのはほとんど父なんだけど。(爆)

No title

ダンナ様がちゃんと現実を受け入れててエライと思う。Sandieさんもさぞ心強かったことでしょう。
我が家のダンナは、息子が自閉症であるということを、いくら診断が出てもいくら私が訴えても、6ヶ月ほど受け入れてくれなかった。このころが精神的にも一番つらかったなあ。
ワタシも回顧録みたいなの書いてみような。

怪人さん、

うちのパターンはかなり稀なんだよね。うちのは業界だったから。
そして子供の一番近くにいる母は全然知らなかったんだから。(←ボケ)うちのもさ、気づいてるんだったらさ、もっと早くいってよねー!!
一人で悩むのはとても辛かったね。でも半年はまだ早いほう。漫画『光とともに』でもあったけどさ、何年も受け入れられないお父さん、いっぱいいるもん。
回顧録、是非やってください。こういうこと書けるってのは自分が過去から吹っ切れた証拠だからね。

No title

息子さんのことと引越しと重なって大変な思いだったのですね。
ご主人様が自閉症研究に進まれたこと、何だか感激して涙が出ました。
今日のCBSで自閉症と遺伝子のニュースが出ていました。もうご存知だと思いますが、段々研究が進んで原因が分かり、早く治療の対処ができるようになるといいですね。

No title

今は自閉症やセラピーにとっても詳しいSandieさんも、やっぱり昔は何も分からないところからスタートしたのですね。当たり前といえば、当たり前ですが・・・。
私も、こちらに移住してきてすぐに息子を産んで、2歳前からちょっとおかしいかな?と思い始めて・・・
移住生活にもまだあんまり慣れないうちから、自閉症のことであちらこちらに出かけたりしてたんですよね~。その頃のことを思い出しました。
私も息子を連れてアセスメントや専門機関を1人でまわりました。当時の私の英語力は今よりもっとひどかったから、事前に全部自分で単語を訳して・・・同じですね。
ほんとに、ご主人が脳神経科の研究者だというのは運命だったんだろうなと思いますよ。KくんもEちゃんも、ご両親を選んで生まれてきたんでしょうね。うちも、息子は私達を選んでくれたと思ってますよ。
それにしても、ご主人が自閉症の専門家だなんて・・・うらやましいです。うちの場合、旦那よりも私の方がよっぽど自閉症については詳しい。わからない専門用語(英語)があると、旦那のほうが私に聞いてきたりしますよ(笑)

No title

私も息子のアプラクシアには全然気づかなかったの。
大きな音を嫌がったり、一つの事に異常なこだわりを見せたり、自閉症の症状も当時は出てて、アプラクシアの診断が下りたのはやっぱり2歳半。
息子は4歳直前にやっと話し出したけど、それもこれも早くに気づいて頂いた小児科の担当医の方のお陰。
我が家の場合は私が受け入れるまで時間がかかったの。
どうしていいか分からなかったな、あの時は。

Chiblitsさん、

感激ですーっ!!お越しいただいてこんな素晴らしいコメントまでいただいて!
自閉症の原因はいろいろ出ていますが、私たちはやはり遺伝の要素が強いんだろうと思っています。
父にも頑張って原因をみつけてもらわないと。多分それが彼のライフワークとなるでしょう。

あ、そうだ、そちらのコメントで『トークンシステム』予告したんだ。(最近、こんなんばっか)すみませーん。v-435数日後にアップしますー。(汗)

くまこさん、

父が自閉症研究を始めたのはつい数年前。我が子たちを見つめて研究に活かしてるらしい。
それまでは私より自閉症のこと知らなかった。しかし本の虫だから猛烈に勉強して、私はとっくに追い越されましたわ。
私も自閉症育児にどっぷりだと専門用語は覚えさせられた。無料で通訳入る時は入れてもらうんだけど、過去の通訳者が単語わからなかったことがあった。私は「私わかってますから、その単語はそのまま英語でいってもらって結構です!」っておもいっきり叫んでたよ。(爆)

reeさん、

巡り会いなんだよね、こういうことは。
私もここにきてからたくさんの素晴らしい人に巡り会って励まされて進むことができたと思っています。感謝です。
たしかに障害を受け入れられない人も沢山います。
まず子供を障害を受け入れることが療育の第一歩。

No title

すごいね!父も母も!
何でも知っているということは、それだけ何でも必要だったってことかしら。とすれば、それは本当に大変な思いをされたんでしょうね。

うちはなんだかようやく主人が障害を受け入れ始めた感があるのよね!!
苦節7年。やっと少しだけ耳を貸してくれるようになりました。
明けない夜はないね!!って夜なげ~~よ(笑)

いつも思うんだけど、やっぱ母ちゃん。つよいわっ(爆)

アドバイスありがと!!ほんと、助かったわ!!
早速先生と連絡とってみるわっ。
ぜひ、これからもよろしく~~e-420

リトルガルさん、

私もまだまだ勉強中ですよ。子供は成長するとステージが変わり、親も新しいことを学ばなければならない。人生一生勉強ですな。
ご主人受け入れてくれてよかったですね。一人で背負い込むのは辛いから。聞いてもらうだけでも随分楽になるでしょう。

No title

1歳半まで気がつかなかったとは、Sandieさんある意味ツワモノ?!たぶん多動とかで育児が大変過ぎで周りを観察する余裕がなかったんだろうな。うちもそうだもの。公園行って、皆様が子供遊ばせながらお母さん同士お話しているのを横目に、自分の子達を追い掛け回してて輪に入る暇なし。だからママ友できないんだよ~(涙)。そしてSandieさん達は告知を受けて、留学と引越しと全部重なって、ドンだけ大変だったろうかと思います。さらにそのままアメリカに定住しちゃうなんて、やっぱりあなた達家族はすごいです。

gakiさん、

最初の子育ては何もかもが初めてで、確信が持てなかった。
え?gakiさん、こちらではママ友いっぱいできてたじゃん?
私は当時逆に忙しすぎて考え込む暇もなかったから、鬱になる暇もなかったのでしょう。
いやー、もう日本に帰る場所(職場)ないもんね。いるしかないじゃん。ははは。(苦笑)
Secret

摂氏/華氏 温度変換器

料理や気温の変換にどうぞ♪

閲覧者のみなさまへ

ご訪問ありがとうございます。
=療育他の掲載資料をAmazon.co.jp(日本版)、Amazon.com(アメリカ)で記事から直接購入できます。是非ご利用ください!=

ブロとも申請フォーム

プロフィール

Sandie Go

Author:Sandie Go
<Go一家>
渡米11年。USACA州在住。
<家族>
母:Sandie(筆者)
基本は専業主婦、時々フリーランスライター。自閉症児育児歴、16年。
父:Mandy
酒と本がないと生きていけない、自閉研究者。最近の趣味は子供と始めたバイオリンとゴルフ。
子供:K(男)
重度自閉症。16歳
子供:E(女)
高機能自閉症。10歳

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

カテゴリ

ブログランキング

クリックお願いします
にほんブログ村 子育てブログ 自閉症児育児へ
にほんブログ村
にほんブログ村 子育てブログ 海外育児へ
にほんブログ村 FC2写真ブログランキング ↓↓義援金バナー貼りました。ご協力よろしくお願いします。 FC2「東北地方太平洋沖地震」義援金募集 一日1回クリックするだけで寄付金が加算されるサイトです。 ホスピタリティクリック募金

リンクさせてください

いつもご訪問&コメントありがとうございます♪

FC2カウンター

FC2カウンター

現在の閲覧者数:

検索フォーム

RSSリンクの表示

更新で植林♪

QRコード

QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。